ベーキングパウダー(膨脹剤)

ベーキングパウダー(膨脹剤)

  • ベーキングパウダーは、パン・菓子の製造工程で添加し、ガスを発生して生地を膨脹させ多孔性にすると共に食感を向上させる添加物及びその製剤です。
    ベーキングパウダーには、実に様々な種類があります。一般に家庭用として市販されているものは、焼き菓子、蒸し菓子、揚げ物全般でおおよその家庭で作るお菓子に対応できるように配合されていますが、業務用ではお菓子1つ1つの特性・製法に合わせたベーキングパウダーが使用されています。また、家庭で作る時にはベーキングパウダーを使用しない菓子類にも、市販品では使用されていることが多くあります。
    ベーキングパウダーの主な働きである膨らませること1つをとっても、お菓子によって加熱時間が異なるように、膨らむタイミングも違います。このタイミングと膨らませる力の大きさを調整するために様々な原料を組み合わせます。また、ベーキングパウダーを使用することにより機械耐性の向上や安定した生産を助けます。 このため、何種類ものベーキングパウダーが存在するのです。
    弊社では、アイコクベーキングパウダーの開発・製造元としての経験から、様々なニーズにお答えする自信を持っておりますが、さらなる技術の向上をめざして日々開発に取り組んでおります。

ベーキングパウダー(膨脹剤)の分類とメカニズム

  • ■組成
    炭酸水素ナトリウム(重曹)
    炭酸水素アンモニウム(炭安)


    ■メカニズム
    重曹・炭安を単独で使用し、熱分解による炭酸ガス
    またはアンモニアガスの発生を利用

  • ■組成
    アルカリ性剤+酸性剤+分散剤


    ■メカニズム
    アルカリ性剤(炭酸水素ナトリウム(重曹))と酸性剤の中和反応を利用

  • ■組成
    アルカリ性剤、酸性剤を別包


    ■メカニズム
    一剤式膨脹剤のアルカリ性剤と酸性剤の二包式に分けたもの

  • ■組成
    アルカリ性剤+酸性剤+分散剤
    (炭酸水素ナトリウム(重曹)+塩化アンモニウム)


    ■メカニズム
    一剤式膨脹剤と同じ構成で、アルカリ性剤に塩化アンモニウムを併用。
    炭酸ガス、アンモニアガスによる特性を利用

下記は一剤式膨脹剤の組成例です。

アルカリ性剤【ガス発生源】
・炭酸水素ナトリウム(重曹)など

酸性剤【ガス発生をコントロール】
・フマル酸
・焼ミョウバン
・グルコノデルタラクトン
・第一リン酸カルシウム
・酸性ピロリン酸ナトリウム
・d-酒石酸水素カリウム(ケレモル)など

分散剤(遮断剤)【膨脹剤の保存性を向上】
・コーンスターチ
・小麦粉など

市販されているベーキングパウダーは、主に「一剤式膨脹剤」のタイプです。

アルカリ性剤と酸性剤の反応例

【炭酸水素ナトリウム(重曹)とd-酒石酸水素カリウム(ケレモル)】 実際にはアルカリ性剤と数種類の酸性剤を組み合わせ、ガス量・ガス発生タイミング・pH等を調整し、用途に応じたベーキングパウダーを組み立てます。

【炭酸水素ナトリウム(重曹)とd-酒石酸水素カリウム(ケレモル)】
実際にはアルカリ性剤と数種類の酸性剤を組み合わせ、ガス量・ガス発生タイミング・pH等を調整し、用途に応じたベーキングパウダーを組み立てます。

膨脹剤の分類別特徴

  • ■特徴
    加熱によりガスを発生させるので生地中では安定するが、先に生地(たんぱく質やでん粉)が固化し始めボリュームが出にくくなる。
    アルカリ臭が発生する。
    製品が黄色化する他焦げやすいが、焼色を強く付けたいときには有効。


    ■主な使用例
    ハードクッキー
    ビスケット 等

  • ■特徴
    アルカリ性剤と酸性剤の種類・組み合わせを変えることで、ガス発生量、発生のタイミング、持続性等を調節することが出来る。市販されているベーキングパウダーは主にこのタイプ。
    生地が固化する前に必要なガス発生を調整出来るため、製品のボリュームを出すことが出来る。
    組み合わせる酸性剤の種類により生地のpHを調整し、焼き色・蒸し色・揚げ色を微調整することが出来るため、抹茶やアントシアン系色素をキレイに発色。
    保存性向上の為、分散剤(遮断剤)としてスターチ等を添加。


    ■主な使用例
    組み合わせる酸性剤の種類による。
    使用範囲は広い。
    ケーキ類、焼菓子、どら焼、タイ焼、蒸しパン、饅頭類、中華饅頭、ドーナツ、アメリカンドック、惣菜類等

  • ■特徴
    使用時にアルカリ性剤と酸性剤を適量ミックスする。
    保存性は良いが、使用に際しては不便。


    ■主な使用例
    蒸し饅頭、おやき

  • 特徴
    アンモニアガスと炭酸ガスの双方が発生するため、ガス量が多くボリュームがでる。漂白作用で蒸し物等が白く出来上がる。
    アンモニア臭が発生する。生地が分厚いと臭いが抜けきらず、不快な味になりやすいため、薄皮饅頭や天ぷら衣の薄いものに適する。


    主な使用例
    蒸し饅頭
    天ぷら 等

ベーキングパウダーは、組成の他に使用する用途によって「焼物用」「蒸物用」「揚物用」「冷凍用」と大別することが出来、また膨脹剤に含まれる酸性剤の種類や組み合わせによって「速効性」及び「遅効性」にタイプ分け出来ます。

下記は各タイプの特徴です。

用途別

  • 03p06

    オーブンを使用する菓子とフライパンなどを使用する菓子の2タイプありますが、両者とも共通することは良い焼色をつけるということです。
    焼成中のメイラード反応の効果を上げるため全般にpHを弱アルカリ性にしてあるのが特徴です。
    中遅効性から遅効性の膨脹剤が向いています。

  • 03p07

    蒸し物の加熱媒体である水は通常の蒸気圧下では100℃までしか上がりません(加熱媒体としては低い)ので、一般的に生地中で多くのガスを発生させ且つ加熱後もガス発生が速いタイプの膨脹剤が適しています。pHを低めに設定してあるため、小麦粉中のフラボノイド色素の影響を受けにくく蒸しあがりが白くなります。

  • 03p08

    揚げ物のポイントは、油面にタネを落としたときにいかに早く大きく広がる(花咲き効果)かです。
    そのために、早めに分解してタネの中にガス泡をたくわえ、油中にて速やかにガス交換が行われるように酸性剤が配合されています。

  • 生地冷凍中にガスが発生し失われてしまうので、冷凍中のガス保存性に優れ、熱反応性が良く効果的にガスを発生させるように組み立てられています。

タイプ別

  • 加水してミキシングが始まると同時に少量のガスが発生し、バッターまたはドゥ中に炭酸ガスを抱き込ませるタイプです。混合は短時間で終わるほうが望ましく、特にイースト使用の生地に向いていて、主に有機酸が多く配合されています。

  • 加水してミキシングが始まると同時にガスが発生し、ミキシングが終わったあとは生地中でほとんど分解が進みませんが、加熱により反応が進むタイプです。速効性タイプでは加水の影響はあまりありませんが、遅効性タイプでは加水量によりバッター中での分解時間が変化します。

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